韓国の税務・会計資料

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September 18, 2020
by swacc

デリバティブとヘッジの会計処理



デリバティブとヘッジの



デリバティブとは基礎資産の価格変化により価値が変動する金融派生商品のことを指す。具体的には先物取引・先渡取引・オプション・スワップ取引等があり、KOSPI 200 先物、国債先物などもデリバティブの一つである。ここでは韓国の一般企業会計基準による会計処理と関連税務処理に関して簡単に要点を検討して見たい。


デリバティブに対する一般的な会計処理は原則的に、ヘッジ目的ではないスペキュレーションなどの売買目的によるデリバティブはその損益を当期損益に計上し、ヘッジ目的により保有しているデリバティブの損益は繰り延べることが可能であるが具体的には会計基準の定めによる。


企業会計基準によるとリスクヘッジは公正価値リスクヘッジ、キャッシュ・フロー・リスクヘッジ、対外純投資ヘッジがある。公正価値リスクヘッジとは特定リスク(例えば、為替の変動)による資産、負債などの公正価値変動のリスクを避ける為にデリバティブなどを利用することである。キャッシュ・フロー・リスクヘッジとは特定リスクによる資産、負債などの未来キャッシュ・フローの変動のリスクを避ける為にデリバティブなどを利用することである。対外純投資ヘッジ (Hedges of a Net Investment in a Foreign Operation)とは海外事業場の純資産のうち会社の投資分に対してリスクを避ける為にデリバティブ等を利用することである。


公正価値リスクヘッジ会計は、特定リスク(例:為替変動)によりリスクヘッジ対象の資産または負債の価値変動の損益とリスクヘッジ手段の評価損益が同一会計期間に対称的に認識されるように会計処理をする。すなわち、リスクヘッジ対象項目の評価損益とリスクヘッジ手段の評価損益を該当会計年度の当期損益として会計処理して特定リスクの効果が相殺されるように会計処理する。


キャッシュ・フロー・リスクヘッジと対外純投資ヘッジ会計処理は特定リスクによる未来キャッシュ・フローの変動又は海外純投資の変動のリスクを避ける為に指定したヘッジ手段の評価損益のうち、リスクヘッジに効果的でない部分は当期損益に処理し、リスクヘッジに効果的な部分はその他包括損益(資本の部)に計上する。その他包括損益に計上した繰り延べ損益は今後に予想取引が当期損益に影響を及ぼす会計年度に当期損益として認識するか関連資産負債の金額に加減し、海外事業場の場合は海外事業場の処分時点に当期損益に再分類する。


 法人税法上は、金融会社などは通貨先渡し、通貨スワップ契約に対する評価を認めている。しかし、一般法人に対しては為替リスクヘッジ目的の通貨先渡し、通貨スワップ契約に対する評価を認めている。すなわち、一般法人の場合はヘッジ目的ではないデリバティブは評価を認めていない。ただし、デリバティブの評価損益を認めてもらうためには管轄税務署に外貨の評価を事業年度終了日の売買基準率により評価するとの評価方法申告書を提出しなければならない。また、法人税法上は、契約の目的物を引き渡さなく、目的物の価額変動による差額を現金で精算するデリバティブの損益はその取引の代金決済日が属する会計年度の損益として処理する。


以上簡単にデリバティブとヘッジの会計処理問題について原則的な規定を検討して見たが実際の適用にあたっては、専門的な検討が必要であると考えられる。


  


<筆者紹介>
信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。
今回の担当:張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



<出典:NNA ASIA アジア経済ニュース、2020.09.10 https://www.nna.jp/>



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