韓国の税務・会計資料

韓国の税務・会計資料

  • > home - 韓国の税務・会計資料

January 02, 2019
by swacc

外部会計監査環境の変化


外部会計監査環境の変化

2018年11月から施行する‘株式会社などの外部監査に関する法律’の具体的な実行方法を規定する‘株式会社などの外部監査に関する法律施行令’の改正案が11月23日に国務会議を通過した。会計監査環境に相当の変化をもたらすことになると予想される。

先ず、既存の法令によると一定規模以上の株式会社だけ外部監査法による外部監査を受けていたが改正法令によると有限会社も一定規模以上であれば同法による外部会計監査を受けなければならない。今回確定された具体的な基準は株式会社の場合、全ての株式会社が対象になるが資産120億ウォン未満、売上高100億ウォン未満、負債70億ウォン未満、従業員数100人未満の4つの基準のうち、三つの条件が充足すると小規模会社として外部監査対象から除外される。有限会社の場合には資産、売上高、負債、従業員数の基準は株式会社と同じく、社員数50人未満という条件が追加されて五つの基準の中で三つを充足すると小規模会社として外部監査対象から除外される。但し、資産総額または売上高が500億ウォン以上であれば、株式会社、有限会社両方とも例外なく外部監査を受けなければならない。

次は指定監査制の拡大とこれと関連する監査人登録制である。上場会社の場合は最初6年間は監査法人を選択して監査契約を締結し、その後の3年間は証券先物委員会が指定する監査法人から監査を受けなければならない。これ以外にも負債過多法人、管理種目の上場法人などが指定監査を受けなければならないなど、指定監査の対象が大幅に拡大された。またこれと関連して人的、物的システムを充足した監査法人だけを政府に登録させるようにして登録された監査法人だけが上場会社の監査が出来るようにした。これによって監査法人の間では登録基準を満足させるため、分割及び合併を通じて大型化を推進する動きが活発に巻き起こっている。

次は標準監査時間制の導入である。標準監査時間制は外部監査法の施行令に根拠して公認会計士会が制定できるようになっているが、まだ試案だけ公開されていて、確定されていない状態である。試案によると資産規模を基準に、個別基準2兆ウォン以上及び連結基準5兆ウォン以上の上場社(グループⅠ)、上場社の中でグループⅠとkonexを除いた一般上場社(グループⅡ)、1千億ウォン以上の非上場社及びKonex上場社(グループⅢ)、500億ウォン∼1千億ウォンの非上場社(グループⅣ)、200∼500億ウォンの非上場社(グループⅤ)、200億ウォン未満の非上場社(グループⅥ)に区分してグループ別、業種別に標準監査時間を異にする。またグループ1は来年すぐ施行するとは言え、グループ2~3は段階的に標準時間を適用し、小型企業群であるグループⅣ, Ⅴ, Ⅵ に対しては施行時期も1~3年間猶予して制度の安定的な定着を誘導しようとした。最終確定ではないが発表された試案から見ると会計監査の投入時間が現在に比べ、約1.5倍から2倍ほど増加し、これによる会計監査報酬も引き上げられると見込まれている。標準監査時間制は週52時間勤務制とかみ合って会計監査を初めとする多くの会計業務に於いて手数料の引上げが深化することになると見込まれている。

企業と金融当局、監査法人の前にはサムスンバイオロジクスの例から分かるようにIFRSの定着、監査法人の登録基準の確定、標準監査時間の確定などの解決しなければならない問題が山積みになっている。しかし、各経済主体の立場が異なっているので合意に至るまでには相当の議論が続くものと見込まれている。

 

<筆者紹介>

信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

 

今回の担当:張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)

 



  • List