韓国の税務・会計資料

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May 20, 2019
by swacc

内部会計管理制度の認証水準の強化

内部会計管理制度の認証水準の強化

 

2001年、米国の大手エネルギー会社であるEnronが大規模の会計不正事件により破産するとともに、当時の世界5大会計法人の1つであり、Enronの会計監査を担当していたArthur Andersenも、Enronの会計不正を黙認した疑いで営業停止された末に結局、破産に追い込まれた。当時EnronをはじめWorldcomなどの会計不正により莫大な被害が発生、米議会では会計制度の改革の必要性を認識しSarbanes Oxley Law(SOX)を制定した。SOX法では監査人の独立性の強化、開示範囲の拡大、内部統制制度の運営、上場会社会計監査の審理のためのPACOB設立などが規定されている。

米国のSOX法の導入によって韓国でも2005年から内部会計管理制度(Internal Accounting Control System)を導入、資産規模1,000憶ウォン以上の会社を対象に公認会計士の外部監査の際、内部会計管理制度をともに検討し、検討意見を表明することが求められた。内部会計管理制度の運営に対して会計監査意見より低い確信を提供する検討意見を表明することは、結果的に多くの会社で内部会計管理制度を形式的に維持することを助長するような結果となった。当初の目標であった会計改革とは距離感があった。

したがって、2017年に政府は会計制度の改革T/Fを構成し論議した末、株式会社などの外部監査に関する法律を改定するとともに内部会計管理制度に関連する規定を、下記のように大幅に強化した。

①内部会計管理制度に対する認証の水準が対象会社の財務諸表に対する会計監査意見表明と同様に強化された。公認会計士が財務諸表に対する意見を表明する際、内部会計管理制度に対する監査意見を表明しなければならない。

②既存に内部会計管理制度に対して検討意見を表明する際は会社で作成した内部会計管理制度の運営実態報告書を検討したが、監査意見表明の際には会社で構築した内部会計管理システム自体を認証対象とする。

③対象会社を年度別に順次適用するよう規定することで、比較的小さい規模の会社に対しては準備期間が与えられた。2019年からは資産2兆ウォン以上、2020年からは資産5千億ウォン以上、2022年からは資産1千億ウォン以上、2023年からは全体の株券上場法人に、その適用範囲が拡大される。

④証券先物委員会でも、会社が構築・運営している内部会計管理制度を監理することが可能となった。

⑤会社で会計年度ごとに代表取締役が株主総会、取締役会、監査役に内部会計管理制度の運営実態を報告しなければならない。

⑥会社内部の監査委員会は、内部会計管理制度の運営実態を評価し、評価報告書を作成・開示する義務がある。 内部会計管理制度が形式的に運営されることを防ぐため、監査委員会が内部会計管理制度を評価する際、必ず一定の水準の対面会議を通じて、評価することが求められる。

 

 

<筆者紹介>

信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

 

今回の担当:張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)

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