韓国の税務・会計資料

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October 17, 2019
by swacc

2019年税法改正案について

2019法改正案につい


2019年7月に発表された今回の通常国会で上程される税法改正案を見ると 1.経済活力の回復及び革新成長の支援 2.経済・社会の包容性・公正性の強化 3.租税制度の合理化及び税収基盤の拡充がその基本方向となっている。その内容を見ると2017年度及び2018年度税法改正の方向とほぼ同じく所得再分配に重点を置いている。

具体的な内容を調べると、経済活力の回復及び革新成長のための主な支援対策として1)生産性の向上、安全施設の投資税額控除率の引き上げ及び適用対象の拡大、2)創業中小企業に対する税額減免の対象拡大、3)家業相続時に税制支援後の事後管理条件を緩和し、相続税の年賦延納対象を拡大、4)事業再編企業に対する繰越欠損金控除を100%まで認める、5)直ちに費用として処理できる修繕費の金額を300万ウォンから600万ウォンに引き上げ、6)輸出に取り組む中小・中堅企業に対する輸入付加価値税の納付猶予の拡大、7)新成長、源泉技術R&D費用の税額控除の拡大などが挙げられる。次は経済社会の包容性及び公正性の強化対策として1)キャリア断絶女性の再就業に対する税制支援の拡大、2)クレジットカード使用時、所得控除の適用期限を延長、3)個人飲食店に対して付加価値税免税農産物の購入時、擬制仕入税額控除率の適用期限を2年延長、4)勤労奨励金の最小支給額の引き上げ、5)貸倒税額控除の適用期限を5年から10年に拡大、6)一世帯一住宅の非課税適用対象に対する付随土地範囲の縮小、7)名義信託時、贈与擬制の賦課除斥期限の延長などが包容性の強化及び課税の衡平性を高める対策として発表された。最後に租税制度の合理化及び税収基盤の拡充対策として、1)定期申告の期限経過後に申告した期限後申告者の場合、従来は修正申告及び更正請求が不可能だったが、改正により期限後申告者でも更正申告及び修正申告が可能とし、2)株式評価時、最大株主持分割増率が持分率及び企業規模によって異なっていたのを一概に20%を適用、3)勤労所得控除限度を2千万ウォンに設定、4)役員退職給与限度を退職前3年間支給した総給与の年平均換算額×1/10×勤続月数/12×3として適用した倍数を3倍から2倍に縮小し、役員退職金に対する税負担を強化した。

全般的には期限後申告者に対して修正申告、更正請求の機会を与え、一部の加算税の緩和、相続税の年賦延納の拡大といった税制合理化の側面で肯定的な効果が期待できる改正内容もあり、新成長、R&D活動などに対する税制支援も肯定的な効果をもたらすことと期待される。しかし、低迷する経済に活力を高めるための対策としてはあまりにも消極的かつ短期的な改正案とも言える。家業相続控除に対して事後管理期間を縮小し、業種や雇用維持要件を緩和したのは望ましいが、今でも高い相続税率、業種制限問題などは残っており、脱税又は会計不正時の家業相続控除の排除という新しい規制を追加したのは二重処罰となる可能性があり、適切ではない面もあると言える。
また、酒税を従価税から従量税に改正したのは望ましいがビールや濁酒は従量税を適用しその他の酒に対しては従価税を適用するのは無原則的な改正で輸入ビールや焼酎に対する増税の結果となる。このような議論のある税法改正案が国会の税法審議過程でどのように確定されるのかを見守る必要がある。



<筆者紹介>

信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

今回の担当:張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



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