韓国の税務・会計資料

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November 15, 2019
by swacc

納税者権利保護要請制度




納税者権利保護要請制度


 


納税者権利保護要請制度は、税務調査、税源管理及び滞納処分等の国税行政執行(予定)の過程において国税公務員の裁量濫用等で納税者の権利が不当に侵害される、または権利侵害が著しく予想される場合、納税者が納税者保護担当官に権利の救済を要請し、納税者保護担当官は侵害された納税者の権利を迅速に救済する国税基本法上の制度である。


国税公務員の裁量濫用行為で権利が侵害された納税者または代理人は、納税者保護担当官に訪問または郵便で権利保護を要請することができる。納税者から権利保護を要請された納税者保護担当官は税務調査の一時中止権等の権限を行使して事実関係を確認し、権利保護の要請内容が事実と確認された場合、税務調査を中断(調査計画の撤回、調査班の撤収等)、調査班の交替、権利侵害行為中断等を是正要求し納税者の権利を保護する。国税庁の資料によると2018年に一般国税行政に対する権利保護の場合、1810件が要請され、この中で1577件が是正、約87%の納税者権利が保護された。一方、税務調査に関する権利保護の場合、350件が要請されたが、105件のみ是正、30%のみ是正されたことと示された。


税務調査に対する権利保護の要請は税法等で違反された調査、具体的事由なしで同じ税目の再調査、中小納税者に対する税務調査の期限延長及び範囲拡大に対する異議提起、調査対象の税目及び課税期間の課税標準・税額計算と関連のない帳簿等の提出要求、調査対象の課税期間・税目等の調査範囲を外れた調査、または任意で調査期間を延長、業務執行と直接関連のない個人的な便宜供与の要求、その他納税者の権利が不当に侵害される、または侵害が著しく予想される場合等に可能となる。納税者保護担当官は納税者の権利保護要請がある場合には納税者保護委員会の審議前まで税務公務員に税務調査の一時中止等を要求することができ、国税公務員の行為が明らかに違法・不当だと判断される場合は、「是正要求書」により主務局(課)長に是正を要求することができる。


このような制度は設けられているが、2017年の国会立法調査処の調査結果によると納税者権利保護制度を聞いたことがあるという回答者は16.1%に過ぎず、納税者保護制度を利用した経験があるという回答者は2.3%と非常に低い。今までは納税者の権利保護要請制度に対する広報不足等により接する機会が制限されていたと考えられる。しかし、税務調査時、権利保護のための制度的装置は設けられているため、必要の際は積極的に利用する必要がある。


 


 


 <筆者紹介>


信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。


今回の担当:張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



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