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June 10, 2024 |
会計監査人指定制と会計の透明性会計監査人指定制と会計の透明性 2017年、これまで自由契約原則に基づき監査契約をしてきた会計監査市場に会計透明性向上を目的に周期的監査人指定制が導入され、会計監査慣行に大きな衝撃を与えた。 その骨子は、上場会社に対しては6年間金融委員会から監査人を指定され、その後3年間は自由契約によって企業が会計監査人を選定し、会計監査を受ける制度で会計監査人の独立性を向上させ、これを通じて会計透明性を確保しようということだった。 周期的指定でなくても筆頭株主、代表取締役の変更が頻繁な会社、3ヵ年も連続営業損失が発生した企業、1,000億ウォン(約113億円)以上の非上場大規模企業で所有と経営が分離されていない企業なども監査人指定対象になり、金融当局から監査人を指定されることになった。 監査人指定制が導入され、6年が経過した現在の外部監査の現状を簡単に見てみよう。 2月1日、金融監督院の発表資料によれば2023年末現在の外部監査対象会社数は4万1,212社で非上場会社が3万7,947社、上場会社が2,642社、有限会社が623社で構成されている。 このうち、外部監査人を指定された会社は1,667社で、全体外部監査対象会社の4%程度になる。 上場会社の場合、994社が会計監査人を指定され、上場会社でない場合には673社が監査人を指定されたことが分かった。 2023年の指定会社の現状を2022年の指定会社数と比較してみると、監査人を指定された会社の数がかなり減少したことが分かる。 全体的には監査人指定会社が2022年1,976社から2023年1,667社に309社が減少した。 減少現況をもう少し具体的に見れば、大型非上場会社の基準を1,000億ウォンから5,000億ウォンに上方修正した影響で、監査人指定対象非上場大企業が92社減少し、財務的な基準に該当して監査人を指定された会社も基準の緩和で177社が減少し、監査人未選任、監査人手続き違反などの理由で監査人指定を受けた会社も制度定着などの理由で減少し、全体的には309社が減少した結果と現れた。 監査人指定制の施行後、上場法人を中心に監査人指定制による苦情を訴えている。 監査人指定制施行後、会計の透明性は改善されているが、監査時間の増加による監査報酬増加、監査人の高圧的な姿勢、要請する監査資料の増加、頻繁な監査人の交替、監査人との葛藤など色々な企業の不満が言論に報道されたりもした。 これに対し今回の政府は企業のこのような要請を積極的に受け入れている。 金融当局は2023年から非上場大規模企業の条件を1,000億ウォンから5,000億ウォンに引き上げ、また監査人を金融当局職権で指定できるようにした財務基準適用を連結財務諸表ではなく別途財務諸表を適用したり、監査人指定期間中に他の指定事由が発生したりしても最小限の監査人自由選任期間を保障されるようにするなどの措置を取り、上で見たように監査人指定対象企業の範囲を縮小させた。 また、4月2日に金融委員会で発表した資料によれば、監査関連支配構造が優秀な企業には6年指定後3年自由選任という監査人の周期的指定を免除するという。 監査人指定制が良いのか、監査契約を市場に任せて自由化した方が良いのかに対する見解は多様だろう。 現在の制度は上場会社の場合、指定制の枠組みの中で自由契約制を加味したもので、非上場会社の場合、自由契約制の枠組みの中で指定制を加味したものだ。 上場会社の場合、利害関係者が多く規模の大きい会社が多く、会計関連事故が発生した場合、社会的衝撃が大きいことを考慮すれば、指定制の枠組みの中で会計監査制度を運用することが社会全体の費用を減らす方法の1つと見られる。 しかし、すべての上場会社に一律的な基準を適用するよりは、支配構造が優秀な企業、会計透明性が優秀な企業などに対しては指定制を猶予するなどインセンティブを与えることが会計透明性を高めながら指定制を緩和し、企業の不満も鎮める方案になるものと見られ、これが今回政府が取った政策と言える。 一方、このような柔軟な指定制の運用の中で、監査人の独立性をいかに確保し、監査品質を維持するかは、さらなる課題として残るだろう。 今や監査人指定制が施行されて6年が過ぎた。 正常な企業の場合、6年指定後3年の自由契約、そして再び監査人指定というサイクル通りなら、少なくとも9年、そしてこれに対する実証的な研究を考慮すれば、10年以上の期間が経過してこそ、きちんと監査人指定制に対する評価ができるだろう。 しかし、監査人指定制に対して実際に監査対象になる上場会社の不満などはないはずがない。 これに対する補完は必要だろうが、急激に監査人指定制の枠組みを変えようとすれば、せっかく社会的に認識された会計透明性の重要性、会計監査の公共財的性格などの価値を放棄することになり、思いがけない社会的費用の増加という結果をもたらすこともありうるだろう。 まだ監査人指定制の枠組みの中で、その都度発生する問題点を補完しながら、徐々に指定制の効用性を評価していくことが望ましいものと見られる。 |
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