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December 13, 2024 |
マネーロンダリング防止業務規定の改正マネーロンダリング防止業務規定の改正 11 月12 日付で金融情報分析院(Financial Intelligence Unit、FIU)は「マネーロンダリング(資金洗浄)防止業務規定」を改定告示した。同規定の正式名称は「マネーロンダリング防止および公衆脅迫資金調達禁止に関する業務規定」であり、金融情報分析院において制定・改正が行われており、各金融機関、カジノなどにおいてその業務執行時に従うべき準拠規定の1つとなる。金融情報分析院は、「特定金融取引情報の報告および利用等に関する法律」によって2001 年に設立された韓国の国家中央機関で、金融機関からマネーロンダリング関連の疑い取引情報の報告を受け、これを分析して検察、警察、国税庁などの法執行機関にその分析結果を提供しており、各金融機関のマネーロンダリング防止業務の検査および外国FIUとの業務交流などを担当している。 韓国のマネーロンダリング防止制度を簡単に見てみると、大体次の通りである。まず、疑わしい取引報告制度(Suspicious Transaction Report、STR)がある。金融会社など(カジノを含む)は、金融取引(カジノでのチップ交換を含む)と関連して授受した財産が不法財産であると疑われたり、金融取引の相手が資金洗浄行為や公衆脅迫資金の調達行為をしていると疑われる適当な根拠がある場合、捜査機関に申告し、遅滞なく金融情報分析院に報告しなければならない制度を「疑い取引報告制度」という。次に高額現金取引報告制度(Currency Transaction Report、CTR)がある。同一金融会社で同一人の名義で1取引日の間に1,000 万ウォン(約106 万円)以上の現金が入金されたりした場合、取引者の身元と取引日時、取引金額など客観的事実を電算で自動報告するようにしているが、これを高額現金取引報告制度という。これは、金融機関などから判断してFIUに報告する疑いのある取引報告とは異なり、電算上で自動的に報告することになっている。金融情報分析院が検察、警察などの要請により高額現金取引情報を提供した場合、FIUは電子的方式や書留郵便を通じて取引当事者に通知することになっている。次に顧客確認制度(Customer Due Diligence、CDD)がある。口座の新規開設や1回限りの金融取引の際、顧客の身元を確認する制度だ。金融実名制法での実名確認制度では、氏名と住民登録番号だけで実名確認が可能だったが、CDDでは氏名、住民登録番号以外にも住所、連絡先、実際の所有者も確認しなければならず、高危険顧客に対しては追加的に取引目的と資金の実際の所有者まで確認しなければならない。結局は上記の報告制度と確認制度などの手段でマネーロンダリングを予防できる制度を用意し、それでも発生するマネーロンダリングなどは犯罪と規定して関連収益を没収できるよう犯罪収益隠匿法、麻薬取引防止法などの法的強制手段を用意している。 今回改正されたマネーロンダリング防止業務規定によれば、マネーロンダリング技法が高度化・専門化される状況で金融会社などが関連リスクに対応できるようマネーロンダリング防止業務担当者の役割と責任を明確化し専門性・独立性を強化する内容に業務規定を改正した。すなわち、理事会の監督業務が経営陣の監督から代表理事、遵法監視人、報告責任者の監督に明確化された、代表理事の責任はマネーロンダリング防止業務指針の用意、報告責任者の任命、マネーロンダリング防止業務組織の構成、理事会報告などの内部統制制度の構築と改善業務に明確化された。遵法監視人の役割は役職員の資金洗浄防止業務指針の遵守可否確認などで明確化された。疑わしい取引などをFIUに報告し、顧客確認業務を総括する報告責任者は、内部統制制度を確認し、脆弱性を代表取締役に報告することなどで責任が明確になった。同改正規定では、各マネーロンダリング防止担当者の業務を明確にしたことに特徴がある。また、報告責任者の資格要件を少なくとも関連経歴2年以上に強化するなど、マネーロンダリング防止業務担当者の独立性、専門性を強化する方向に改正したものである。 上記の改正規定は、告示日から6カ月経過した25 年5月から適用する予定であるが、報告責任者の資格要件の場合は、それより2年後の27 年5月から適用される予定である。各金融機関がマネーロンダリング防止のために顧客確認制度を厳格に施行しているが、銀行別に差が出るなど、まだマネーロンダリング防止業務が完全に定着していないようだ。今回の規定の改正とともに、各金融機関のマネーロンダリング防止関連の力量が向上することを期待してみる。 |
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